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2009年1月号 月経痛

月経痛を引き起こす主な原因は、大きく2つに分かれる。

  1. 器質性月経痛:子宮や卵管などになにか『器質性=目にみえるはっきりした異常』があって痛みが起こる場合。これには子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫、子宮の奇形、腫瘍、骨盤内臓器(卵巣や卵管など)の炎症などがある。
  2. 機能性月経痛:『目にみえるはっきりした異常がない』のに痛みが起こる場合。これには内分泌の失調(子宮収縮ホルモンが多い)、子宮口が狭い、心理的原因(自律神経の失調、ストレスや不安感など精神的な緊張状態の持続)などがある。月経周期ごとに起こる痛みに悩まされている女性は多い。症状は月経時の下腹部痛、腰痛を主体としたもので、鋭い痛み・鈍い痛み・しくしくするような痛みなど人によって様々で、この様な痛みが断続的または持続的に感じられる場合がほとんど。随伴症状として、不安感・頭痛・吐き気・倦怠感・疲労感・胃痛・便秘などを伴う。

月経痛中国医学では月経痛の原因を「ストレスや精神不安が原因のタイプ」「主に体の冷えが原因のタイプ」「人間が持っている根本的なエネルギーや栄養素が不足しているタイプ 」「月経と関係する臓器の虚弱なタイプ」などに分別する。人体の活動をささえているエネルギー(気血=きけつ)の働きが、上記のような原因により悪くなり、子宮の血液の流れが滞ると、月経痛が発生する。

月経痛に対する鍼灸治療は、鎮痛剤で痛みを抑えるのではなく、体質や症状、痛みの性質などを細かく診断し、患者の病態に応じた根本的治療をする。

さらに、体質改善されるまでに起こりうる痛みには、月経痛が月経の前後に多く現れることから、月経の5~10日前および月経終了の3~5日後に集中的に鍼灸治療を行うことによって、痛みを軽減させる。このように治療時期を患者の月経周期に合わせて行う「月経周期療法」と、根本的原因から治療する「根本治療」を併用することで高い治療効果を発揮する。

投稿者:tcm-editor

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